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こんにちは!
田舎の市役所&町役場で5年非正規職員として勤務していたぽんこ夫人です。
公務員にも週休3日制が導入されるかも、休日中の副業経験により職員のスキルアップを期待するとニュースで聞いて「課によって忙しい時期とかあるのに週3日も休める?」「いや副業って禁止されていたような…」と気になったので調べてみました。
この記事では、
- 週休3日制が公務員に導入されるのはいつからか
- 導入された場合副業は解禁されるのか
についてまとめていきます。
ぜひ最後までチェックしてくださいね!
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週休3日制が公務員に導入されるのはいつから?
週休3日制が公務員に導入される時期は未定ですが、2021年中に実現することはなく、早くても2022年4月以降に導入されるでしょう。
2021年4月27日に「選択的週休3日制を骨太の方針に組み込むべきだ」との提言が行われましたが、実際に組み込まれるかどうかはまだ明らかにされていません。
「自民党は既存の週休2日制度を維持しつつ、希望者が週休3日を確保できるよう政府に促す試案をまとめた。民間企業への導入を後押しし、公務員にも広げていきたい考えだ。」
【Bizプレミアム】「週休3日制」導入は拡大するのか? 働き方が多様化する社会で生き抜く力 https://t.co/TDMGeD193C— やみた@本気でFIREをめざす人 (@yamita_life) January 21, 2021
毎年6月頃に発表される経済財政運営と改革の基本方針(骨太の方針)にて明らかになる予定ですが、ここで組み込まれていれば翌年度の予算編成に影響するため、2021年度中に実現することはやはりないでしょう。
また、予算が割り振られたとしても主な問題となるのが、
- 人手不足
- 部署によって忙しい時期が違う
- 民間企業に普及していない
の3点です。
導入までの問題点① 公務員の人手不足
公務員の数は減少傾向にあります。地方公共団体の総職員数を見ると、平成6年に約328万人いた職員数は令和2年には約276万人と約52万人も減少しています。
さらに、現職員の高齢化も進んでいます。
平成13年から60歳で定年退職した人を最長で65歳まで再雇用する再任用制度が出来たため、年齢の若い新入職員の数がどんどん減っています。田舎の市役所では採用枠が少人数程度と数をぼかし、実際に採用するのは1~2名なんてことも多くあるため、特に地方自治体では職員の高齢化が問題となっています。
また、IT技術の普及と発展により事務的な作業は効率化が進んでいますが、新しい補助金制度や乳幼児医療制度など、関係のある人以外にはよく見えない仕事が増えているため業務内容はまったく減っていません。
そのため、業務内容的に人手が足りないうえに職員の高齢化が進んでいることから、現状のままだと週休3日制を取り入れるのは非常に難しいでしょう。
導入までの問題点② 部署によって繁忙期が違う
市役所などには住民課や税務課など様々な部署が存在しますが、忙しい時期は課によって大きく違ってきます。
たとえば戸籍の発行などに関する住民課は引っ越しや新生活の始まる3~4月が特に忙しくなりますし、税務課は担当する税金の内容によって1~3月が忙しく、また総務課のように年中忙しい部署も存在します。
そんな部署に一律で週休3日制を導入しても、業務内容的に休んでいられない部署は必ず存在します。特に選挙管理員会などは通常であれば残業は発生しませんが、選挙がある月では月の残業時間が300時間を超えることすらあるため、選挙中に休めるわけがありません。
そのため、週休3日制を導入するにしても利用するかどうかは本人の裁量による選択的週休3日制の導入になる可能性が高いです。
導入までの問題点③ 民間企業で浸透していない
週休3日制は大企業が導入したというニュースで時折注目を集めますが、中小企業などではまったく浸透していません。
厚生労働省の就労条件総合調査(2020年)によると、週休3日制を導入している企業は全体の8.3%しかありません。2010年の同じ調査では全体の3.9%しかいなかったことを考えるとこの10年で導入企業は倍増しています。
ただし大多数の民間企業では普及していないうえに、医療機関や介護業界など職種上週休3日制を導入するのが難しい業界もあります。
広く普及するために公務員に導入しモデルケースとすることも考えられますが、その公務員も数が減っている上に仕事が増えているため、シフトをうまく組み合わせることが難しいです。
導入している民間企業は
週休3日制は日本では2015年にユニクロが一部正社員を対象に導入したことから注目を集めました。
2021年現在では、
- 佐川急便
- Yahoo!
- ファーストリテイリング(ユニクロ)
- 日本KFCホールディンクス(ケンタッキー)
などの大手企業の一部で導入されています。
さらに最近ではリモートワークへの関心が高まり、通勤時間分を家でも仕事ができることから1日あたりの労働時間を調整できると期待する企業も増えています。そのため今後さらに増加していくと考えられます。
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週休3日制の導入で公務員の給料が減ると副業が解禁される?
公務員は法律で原則として副業が禁止されていますが、例外的に認められているものもあります。また、2018年以降副業できる仕事の幅が増えてきています。
2022年度以降に公務員に週休3日制が導入されれば、さらに副業できる業種が増える可能性もありますが、公務員(本業)と副業で生計を維持できるようになるには時間がかかるのは間違いないでしょう。
というのも、現状公務員ができる副業は営利目的でないもの、公益のためになるものに限定されています。そのため本業の収入が減るから副業で足しにするといったことは認められていません。
公務員の副業とは地域への貢献の側面が強く、世間がイメージするような第二の収入として副業が認められるのは、かなり時間がかかるでしょう。
もともと禁止されていない副業一覧
そもそも公務員は法律によって原則副業が禁止されていますが、以下に当てはまるものは自営兼業承認の許可を得ることによって行うことができます。
ただし許可があっても、
- 本業に支障があるもの
- お金目的の仕事
- 公務員のイメージ像を悪くするもの
- 守秘義務に違反するもの
は罰則の対象となります。
副業として認められていたのは次のとおりです。
投資 (不動産賃貸・株式・FX・仮想通貨) |
・不動産賃貸は厳格な基準(年収や部屋数など)あり ・利益が出た場合は確定申告が必須 |
講演や講師 | ・事前に許可が必要 ・謝礼金を受け取ってもOK |
小説などの執筆 | ・許可が必要 |
農業 | ・小規模に限る ・年間の売上が数十万円になる場合は許可申請が必要 |
家業の手伝い | ・実家の家業を手伝うなどはOK |
フリーマーケットへの出品 | ・不用品の売却はOK ・転売目的(せどり)はNG |
たとえば株式投資やFXは禁止されていませんが、職務中に株価チャートが気になって仕事が手につかないなどの場合は処罰対象です。
条件つきで一部解禁された副業一覧
平成30年6月には働き方改革の1つとして「未来投資戦略2018」が発表され、そこで公務員の副業が「公益的活動等」に限り認められました。
これによりたとえ報酬が発生する内容でも、
- 子供たちへのスポーツ指導
- NPO活動への参加
- 地場産業への従事
といった地域に貢献する副業がOKとなりました。
兵庫県神戸市、奈良県生駒市、北海道鹿部町などではこの発表を受けて副業に関する新制度を制定、他の自治体でも副業制度が導入されつつあります。
ただ、体育教師が休日にスポーツインストラクターをやる、行政職員が休日に漁業に従事するといった点を踏まえると、これらの副業は本人の収入を増やすためのものではなく、人手不足のところを公務員で補おうとしている点が否めません。
営利目的の副業解禁は厳しい
公務員の副業のうち、お金を稼ぐために働く営利活動は禁止のままです。
今後週休3日制の導入により労働時間も給料も減った場合、減収分を補うために副業することは認められていません。
公務員は公僕です。公益のために全体に奉仕する代わりに税金からお給料をもらう職種なので、本業以外に職員本人がお金を稼ぐという働き方は「市民よりも自分の収入を優先するのか」と反発を覚える市民もいるためなかなか許されません。
その上すでに一部の副業は解禁されているため、「なんで認められている副業じゃなくて別の副業がしたいの?」と否定的な感想をもつ人もいるでしょう。
業務が増える、退職金・年金が減らされる、職員の高齢化により出世が難しいのトリプルパンチを受けている30代以下の公務員は副業しなければならない環境に立たされるでしょうが、市民の感情や公務員の存在意義からして営利目的の副業解禁には長い時間がかかるでしょう。
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まとめ
週休3日制が公務員に導入されるかは現在正式に発表がありませんが、可能性が高いのは来年度予算の方針を発表する2021年度6月以降になると考えられます。
また、公務員は法律で副業が禁止されていますが2018年以降副業の幅は大きく広がりました。しかし現在許されている副業は公益のためであることが条件なので、第二の収入としての副業は許されていません。
私が非正規職員として役場で働いていた時にも週休3日制、副業については時折ニュースで見かけました。
そのたびに正規職員が、
「たまった仕事やるだけで精一杯」
「ただでさえ課の人数が少ないのに休みを調整するシフト制なんてできない」
「親と子供の世話で休みなんて全部つぶれる」
「仕事して介護して副業までする体力がない」
と嘆いていたのを覚えています。
営利目的の副業を解禁しないことには現職の公務員たちは実際に副業しないでしょう。そもそも仕事を減らす、人を増やすといった根本的な解決をしない限りは営利目的の副業がOKになったところで名前ばかりの制度となり、実際に普及するのは難しいと思いますね…。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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