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世界で最も小さいネコと言われる”サビイロネコ”。大人になっても小さくてかわいい姿は見る人を魅了し、ペットで飼いたい!と思う人も多いのではないでしょうか。
このページではサビイロネコをペットとして個人が飼えるかどうか、調べてみました。
アイキャッチ画像はポーフェル・ワイルドライフパークより
世界最小のネコ
野良ネコ、ライオン、チーター、ヒョウなどはネコ科と呼ばれる生き物です。ネコ科最大はアムールトラのオスで、体長250cm~350cm・体重180kg~300kgという巨体っぷりな上に、時速80kmで走ることが出来ます。スズキのソリオ、トヨタのパッソ、ダイハツのブーンが80キロで突っ込んでくる姿を想像すると、いかに恐ろしい存在かお分かりいただけるでしょうか。
そんなアムールトラと対極の位置にいるのが世界最小のサビイロネコです。
サビイロネコはその名の通り「錆びのような色をしているネコ」です。体長35~48cm、体重約1.5kgという小さなネコです。大きくても小学校の机程度だから相当小さいネコです。
生息地も二種類に分かれており、インドの乾燥した草原などかスリランカの熱帯雨林に住んでいます。
乾燥地帯と熱帯雨林、真逆の場所に住んでいますが、その理由はライバルの存在。インドの熱帯林にはベンガルドラというトラがいるため、サビイロネコは乾燥地帯を住処として選んだと言われています。
日本のネコに性質が近く、友好的で陽気・人に馴れやすいことから現地ではペットとしても人気があります。
海外の動物を輸入する際に重要なワシントン条約とは
ワシントン条約(絶滅のおそれのある野生動植物の種の国際取引に関する条約)は、野生動植物の国際取引の規制を輸出国と輸入国が協力して実施することにより、絶滅のおそれのある野生動植物の保護をはかる目的で作られました。アメリカのワシントンで作られたのでこの名前がつきました。
附属書Ⅰ~Ⅲまであり、数字が少ないほど絶滅の危機が高いもので、輸出入に厳しい制限がかけられています。
これに関連するのが国際自然保護連合(IUCN)の保全状況評価。この生き物は今絶滅の危険性がある、その危険がどれほどのものかを7種類に分類しています。いわゆるレッドリストですね。
サビイロネコの保全状況は?
サビイロネコは保全状況評価NT、日本では近危急種(きんききゅうしゅ)と呼ばれています。
今のところ絶滅する危険性はないが、生息地に何か変化があると将来的に絶滅する恐れがあるという種類です。
インドの砂漠化が進んだ、スリランカの熱帯雨林が森林伐採で狭くなったなど、将来的には絶滅する可能性が高い状況です。
サビイロネコのうちインドに住む個体はワシントン条約の附属書Ⅰに分類されています。
附属書Ⅰは絶滅のおそれがあるためもっとも厳しく取引が規制されます。商業利用禁止・学術研究はOKですが輸出国、輸入国がともに許可書を発行しなければ取引は認められません。
スリランカに住む個体はワシントン条約の附属書Ⅱに該当します。こちらは現在は絶滅のおそれはないが、取引を規制しなければ絶滅するおそれのあるものが対象となります。規制内容は当該動植物が生息している国が許可書を発行すれば、商業取引も含めた利用が認められる程度ですね。
じゃあ許可さえあればスリランカのサビイロネコが飼えるのでは?と思うかもしれません。制度上は不可能ではないのですが、事実上無理です。サビイロネコはレッドリストしている上に世界中で50匹しか保護区で飼育できていません。個人が愛玩動物として輸入するのに許可は下りないでしょう。
まとめ サビイロネコはペットとして飼えない
今回の記事のまとめはこちらになります。
- サビイロネコは50cmにも満たない世界一小さなネコ
- サビイロネコはインドとスリランカに生息している
- インドのサビイロネコはワシントン条約附属書Ⅰ指定なので、商業取引(ペットとして売るために輸入)が出来ない
- スリランカのサビイロネコはワシントン条約附属書Ⅱに指定されているので、制度上は輸入できる
- サビイロネコは全世界で人工飼育されているのが50匹しかいないので、個人がペットとして飼うことに許可が出る可能性はほぼゼロ
以上です!
残念ながら一般人がペットとしてサビイロネコを飼うことは不可能に近いようです。さらに、日本国内でサビイロネコを飼育している動物はありません。
実際に見たい方はインドかスリランカに行く、あるいはイギリスにあるポーフェル・ワイルドライフパークという動物保護がオススメです。特にポーフェル・ワイルドライフパークでサビイロネコの赤ちゃんが生まれたそうですよ!
ニュースページはこちらになります。
世界最小の猫種「サビイロネコ」の赤ちゃんが生まれたよ!(イギリス)
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