アフガンで死亡の中村さんに旭日小綬章の授与が決定!何故小綬章なのか、そもそも死者に褒章を与えられる理由とは?

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福岡市のNGO組織「ペシャワール会現地代表の医師、中村哲さん(73歳)がアフガニスタンで武装グループの襲撃によって死亡した事件は人々の記憶に新しいです。中村さんはその死亡が報道されるとアフガニスタンの人々が深く悲しみ追悼するほど、アフガニスタンでの医療活動などに従事してきました。

12月23日、政府は中村さんに旭日小綬章と内閣総理大臣感謝状を贈ることを決めました。

授与されることは名誉でもある褒章ですが、中村さんほど活躍した人がなぜ小綬章の授与にとどまったのでしょうか。さらに、死者への授与の要件はどうなっているのか?と思い調べてみました。

旭日章(きょくじつしょう)とは

旭日章は日本の勲章の1つです。大日本帝国憲法時代からあり、戦後になって栄典制度の改正によって多少の変更がありました。

現在の旭日章は6つ

  • 旭日大綬章(きょくじつ・だいじゅしょう)
  • 旭日重光章(きょくじつ・じゅうこうしょう)
  • 旭日中綬章(きょくじつ・ちゅうじゅしょう)
  • 旭日小綬章(きょくじつ・しょうじゅしょう)
  • 旭日双光章(きょくじつ・そうこうしょう)
  • 旭日単光章(きょくじつ・たんこうしょう)

大・中・小と分かりやすいように、上のものほど特に顕著な功績であると認められた証でもあります。中村さんが授与されることになったのはこのうちの旭日小綬章です。

旭日章の授与基準

旭日章は社会の様々な分野における功績の内容に着目し、顕著な功績を挙げた者を表彰する場合に授与されるものと定められています。その時に参考となるのが次の基準です。

  • 国際社会の安定及び発展に寄与した
  • 適正な納税の実現に寄与した
  • 学校教育又は社会教育の振興に寄与した
  • 文化又はスポーツの振興に寄与した
  • 科学技術の振興に寄与した
  • 社会福祉の向上及び増進に寄与した
  • 国民の健康又は公衆衛生の向上及び増進に寄与
  • 労働者の働く環境の整備に寄与した
  • 環境の保全に寄与した
  • 農業、林業、水産業、商業、鉱業、工業、情報通信業、袁節行、不動産業、金融・保険業、サービス業等の業務に従事し、経済及び産業の発展を図り公益に寄与した
  • 弁護士、公認会計士、弁理士等の業務に従事し、公益に寄与した
  • 新聞、放送その他報道の業務に従事し、公益に寄与した
  • 電気事業、ガス事業、運輸事業等の公益的事業に従事し、公衆の福祉の増進に寄与した
  • 上記以外の者であって、公益に寄与した

中村さんは太字で記した箇所が授与される基準となったと考えられます。医師としてアフガニスタンで活躍しただけでなく、灌漑(かんがい)事業を行い清潔な水とアフガニスタンでの雇用を大きく生み出したことが理由です。

基本的に旭日章は日本国内で功績があったことを表彰するものですが、中村さんはアフガニスタンでも大きく活躍していたため公益に寄与したということが評価されたのだと考えられます。

さらに、旭日章は授与される人の生死を問いません。そのため、死亡した中村さんもその功績が称えられ授与される運びとなりました。

中村さんは何故”旭日小綬章”なのか

日本での医師としての活動だけでなく、アフガニスタンで医療行為と灌漑事業によって200万人の雇用を生み出した中村さん。非常に大きな功績を挙げた方なのになぜ”小綬章”で終わったのか。

それは、授与要件でその人の職によって授与する旭日章が定められているからです。

例えば旭日大綬章は内閣総理大臣、衆議院議長、参議院議長、最高裁判所長官、国務大臣、内閣官房副長官、副大臣な日本の政治の中枢に位置する職だと決められています。

この中で小綬章の職として定められているのは都道府県知事、市長もしくは特別区の区長、都道府県議会議員、市議会議員、特別区の議員などです。

そのため、NGO(非政府組織)の現地代表である中村さんは旭日小綬章が限界だったという見方が出来ます。

しかし、旭日章はその人の功績全体を総合的に評価してより上位の勲章の授与を検討できると定められているので、もしかすると中村さんの授与されるものが小綬章より上のものになることがあるかもしれません。

ちなみに勲章の授与要件では緊急に授与する場合についても定められています。このうち中村さんは生命の危険を伴う公共の業務に従事し、その職に殉じた(=死亡した)者、そのほか特に顕著な功績を挙げて、緊急に勲章を授与することを必要とする者が該当するとみられます。

まとめ

  • 旭日章は国家または公共に対し功労がある者のうち、功績の内容に着目し、顕著な功績を挙げた者が授与対象
  • 旭日章は既に亡くなった方にも授与されることがある
  • 大綬章などは日本の政治に深く関係する人に授与される
  • 中村さんはアフガニスタンでの功績が「高く評価される」と判断されたので旭日小綬章の授与が決まった
  • 今後より上位の旭日章の授与が検討される可能性もある

旭日章は特に大綬章レベルになると日本の政治機関の中枢にかかわる仕事でないと授与されることがありません。非政府組織に属していた中村さんは今後、上位の旭日章授与が検討されても大綬章や重光章までは届かないものと考えられます。

アイキャッチ画像は内閣府の勲章紹介ページより引用

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