ダイオウイカやリュウグウノツカイ…深海魚が打ち上げられるのは大地震の前兆!?その真偽を調べてみた

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巨大地震の前には何かしらの前兆があると考える人は多いのではないでしょうか。独特な雲の形、不気味な空の色、動物たちの異常行動。多くのものが科学的根拠はないと言われていますが、現在ではTwitterなどで画像が一斉に拡散され、その後に地震が起きると前触れだったんだ!と盛り上がることもしばしば。

そんな話で盛り上がる一つに「深海魚の打ち上げ」があります。海の底近くで暮らす魚たちが浜辺に打ち上げられたり、浅いところで行う漁の網にかかった時などに「大きな地震が来る」と話題になるのです。

このページでは深海魚の打ち上げと大地震の関係について調べてみました。

そもそも何で深海魚の出現が地震の予兆となったのか

今やネット上では深海魚の出現があると近いうちに大地震が発生する!と紹介するウェブサイトなどもあるほど、深海魚と地震は密接に考えられるようになっていました。

その説を最も後押ししたのは2011年の東日本大震災でしょう。この年、深海魚のリュウグウノツカイが十数頭も沿岸に打ち上げられたことが報告されており、数が多かったことから地震と深海魚の関係性を主張する人もいます。

また、Twitterなどの多くの人がアクセスする画像利用できるサービスの台頭によって、どんどん画像とともに拡散されていくようになりました。以前までは漁港で揚げられたリュウグウノツカイを地元のメディアが取材して、翌日以降の新聞などに掲載して、その新聞を購読している人のみが知るような状況だったのが、ほとんどリアルタイムで拡散されるようになったのです。

リュウグウノツカイをはじめとした深海魚は個性的な、インパクトの強いものが多いです。そのためぱっと見た画像であっても人の心に残りやすく、その後に地震があったりするとその関連性を結び付けてしまうこともあるそうです。

深海魚の出現と地震の発生に科学的な証拠はなし!

もしも深海魚の出現が地震と密接に関わっているなら地震予知などの利点があるんじゃないか、と研究を重ねていたのが東海大学海洋研究所と静岡県立大学の合同グループです。

しかし深海魚は数が多く、未発見のものを含めるととても調査出来る数ではありません。そのため調査グループは対象をリュウグウノツカイ、サケガシラ、テンガイハタ、タナベシャチブリ、シャチブリ、アカマンボウ、ユキフリソデウオ、テングノタチの計8種に絞りました。いずれも新聞記事に地震との関連があると掲載されたことのある深海魚です。

気象庁が持つ地震の記録と既存の深海魚の出現データで最も古いものは1928年11月26日。そこから大地震である東日本大震災が起こった2011年3月までの間を調査対象として調べたところ、深海魚の出現と地震の関連性には科学的根拠はないという結論になりました。

調査期間である83年のうち、深海魚が打ち上げられた、もしくは漁などで揚げられた数はわずか336件しかありませんでした。このうち発見された当日中に大型の地震(マグニチュード6.0以上)が起きたことは一度もなかったのです。

さらに発見日から30日後まで、発見場所から半径100キロメートルも対象に含めた結果、マグニチュード6.0以上の地震が発生したのは1件のみ。2007年7月16日に発生した新潟県中越地震です。

残りの335件は地震と密接に結びつかなかったことから、深海魚が出現すると巨大地震が起きるというのは迷信であると結論づけられました。

過去にはナマズを使った研究もされていた

東京都の水産試験場では1976年~1991年までの16年間、ナマズを飼育して地震との関連について調べていました。

普段のナマズの行動を記録し、地震があった時に異常な行動をとったかどうかを記録して調査していたのです。

その結果、計測された13年間のうち東京都で震度3以上を計測したのは362回。うち最高震度は5弱の8回でした。

これらの地震で10日前までにナマズの異常行動が確認されたのは3割1分程度だったそうで、科学的関連は断言できないとされています。

他にも神奈川県淡水魚増殖試験場では1979年~1984年にかけてナマズを用いて調査を行いました。調査期間中に地震までの距離が100キロ未満で震度3以上を記録した地震が24回あったのですが、これらに対するナマズの異常行動は10回。ナマズは42%の地震を前に異常行動をとったのです。

しかしこのナマズ、調査期間中に異常行動をとった回数が150回もあったため、地震に関連する異常行動と判断されたのはわずか6.7%にすぎません。こちらも断定するには根拠の薄い数字となっています。

安易な情報に踊らされないようにしよう

ネットが便利になり、気軽に使えて画像なども簡単にアップデートできることから、話題となったものが拡散する力はとても強くなりました。

しかし拡散される情報が全て正しいものとは限らず、中には嘘の画像を上げる人も少なくありません。深海魚が打ち上げられたから地震だ!と主張する人がいたとして、簡単に信じて慌てる前に一度疑ってかかりましょう。

残念ながら科学技術の発達した現在でも地震の予知はできないとされています。地震が来るかもしれないと考え、日常的に防災を意識した生活を心がけましょう。

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コメント

  1. […] […]

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