トランプ大統領の裁判はいつから?アメリカ弾劾裁判の仕組みとは

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アメリカのトランプ大統領が弾劾裁判にかけられると世界中で話題になっています。しかし、普通の裁判と弾劾裁判がどう違うのか分からない人もいますよね。その上日本の弾劾裁判とアメリカの弾劾裁判は仕組みが違うため、より分かりにくくなっています。

そこで今回はトランプ大統領の弾劾裁判について、分かりやすくまとめていきます。

弾劾(だんがい)裁判とは

弾劾(だんがい)とは身分の保障された官職にある人を罷免(ひめん)して処罰することです。

分かりやすく言うと、身分が保障されていてすぐには逮捕されない職に就いている人をクビにしようというもの。

はじまりはイギリスですが、現在は各国によって手続きや対象者が変わります。

共通するのは、裁判所とは別に訴えるための組織があること。日本なら裁判官訴追委員会(衆参議員20名で構成)、アメリカなら下院、韓国なら国会というふうに、司法ではなく立法がそのカギを握っています。

アメリカの弾劾裁判の仕組みとは

アメリカの弾劾裁判は下院が訴えて上院が審議します。

下院・上院の関係は、日本でいうところの衆議院と参議院。下院は国民が投票した結果で選ばれる議員(=国民の代表)であり、上院は州から2名ずつ選ばれる議員(=州の代表)です。

下院の定数435名の過半数以上が弾劾するべきと賛成した場合、弾劾決議案が可決されます。すると上院が弾劾裁判を行い、上院議員(定数100名)の3分の2以上が弾劾すべきと賛成した場合、大統領を解任できます。

  1. 下院(定数435名)が弾劾決議案を過半数以上の賛成で可決する
  2. 上院(定数100名)が弾劾裁判を実行、3分の2以上の賛成がある
  3. 大統領が罷免される

日本とアメリカの弾劾裁判の違い

日本とアメリカの弾劾の違いをまとめたものがこちら。

日本アメリカ
弾劾される人裁判官
人事官
大統領
副大統領
すべての文官
訴える組織裁判官訴追委員会下院
裁く組織弾劾裁判所上院

アメリカは大統領を含め一定以上の要職に就いている人は弾劾の対象になります。対して日本では裁判官と人事官のみであり、これまでに弾劾された人数は7人。

これはすべて裁判官の数で、アメリカでもこれまでに弾劾されたのはすべて裁判官となっています。

トランプ大統領が弾劾される理由は?

2021年1月6日。トランプ氏の支持者たちが連邦議会を襲撃し、トランプ氏支持者4人と議会警察の警察官1名が亡くなる事件が発生。この事件はトランプ氏が呼びかけたことによって起きた=テロを助長したとの理由でトランプ氏は弾劾されることになりました。

まず、トランプ氏は2020年11月3日に行われた大統領選に出馬するも、民主党のジョー・バイデン氏に負けました。しかしトランプ氏やその支持者たちは根拠もなく不正選挙だと主張し、自身のTwitterなどで「我々は決してあきらめない、決して負けを認めない」と支持者を扇動、連邦議会へ進むよう呼びかけていました。

その呼びかけに応え、支持者たちは連邦議会へ向けてトランプ大統領が再選したこと、バイデン氏の勝利は不正であるとデモ行進を行います。そして選挙結果を受けてジョー・バイデン氏を正式に次期大統領に選出するための審議を行う1月6日、連邦議会へ侵入して荒らしてまわり、州兵によって鎮圧されました。

終わってみれば連邦議会は審議的にも物理的にもめちゃくちゃにされ、死亡者が出るほどの襲撃事件となってしまいました。「根拠もなく不正選挙と主張して議会を妨害した」「この暴動はトランプ大統領が扇動したからだ」として、下院は弾劾することを決定。

トランプ氏はウクライナ疑惑以来の弾劾を受けることになったのです。

実は過去にも弾劾裁判を受けていたトランプ大統領

トランプ氏が弾劾を受けたのは今回が初めてではありません。

2019年9月、トランプ氏は次の選挙でライバルになる可能性が高いジョー・バイデンさんを失脚させようと、ウクライナ大統領にバイデン氏とその息子について捜査するよう働きかけました。その見返りに、ウクライナへの軍事援助4億ドル(約415億円)の凍結解除を提示したと言われています。

さらに、その疑惑について調査を開始するとトランプ氏は関係者の証言を次々と阻止していったのです。

その結果、トランプ氏は職権乱用と議会妨害が認められ、弾劾が始まります。上院は弾劾裁判の結果、罷免に必要な3分の2以上の有罪票が得られなかったため無罪となりました。

トランプ大統領の弾劾裁判はいつから始まるか

2021年1月13日、下院でトランプ氏の弾劾決議案が可決されました。これによりトランプ氏は上院へ弾劾訴追されることが決定。過去の上院での弾劾裁判は評決を下すまでに最短で21日、最長で83日間かかっていることもあり、トランプ氏の弾劾裁判も半年以内には評決が下るといわれています。

ただ、トランプ氏は2020年の大統領選に敗れたため、2021年1月20日にはジョー・バイデン氏が大統領に就任します。残された期間は7日しかないため、上院トップのマコネル院内総務は「バイデン氏が就任する前に弾劾裁判が終わる可能性はない」と断言しました。

また、政権交代を迎えるこの7日間でトランプ氏の弾劾裁判を審議するよりも、「安全かつ確実に政権移行できるよう集中すべき」とも。

つまり、トランプ氏の弾劾裁判は早くてもバイデン氏が次期大統領に就任してから始まると言えます。

退任した元大統領を弾劾できるの?

過去にあた弾劾裁判で評決が下るまで最も短い期間だったものでも21日かかっているため、1月20日に大統領を退任するトランプ氏を裁くことは出来ません。

裁く側である上院のトップも不可能だと声明を出していることから、トランプ氏の弾劾裁判はトランプ氏が大統領の座から退任した後ということになります。

大統領への弾劾裁判は、大統領を解任するために行われます。それなのに退任した後の元大統領を弾劾することは出来るのでしょうか?

過去に例がないためアメリカでも慎重に議論されていますが、アメリカ憲法の学者たちの間では合法である、可能であるという論調が強いです。

退任後にトランプ大統領を罷免する意味は?

本来であれば、弾劾裁判にかかる日程からして今すぐに弾劾の準備をしなくても1月20日のジョー・バイデン氏就任によってトランプ氏は強制的に大統領から退任することになります。

それなのに在職中のトランプ大統領を罷免する意味は、「議会の悪しき前例」を作らないためだとも言われています。

国民たちに不安を与え、テロ行為を助長し、議会をめちゃくちゃにし、死亡者まで出したトランプ氏を弾劾しないことは国民をないがしろにすることと同義。これはアメリカが誇る民主主義大国としての権威を地に落とすことになります。

そのため、大統領から退任したので責任はありませんと言い逃れ出来ないようにトランプ氏の退任前に弾劾すべく動いた、ということです。

トランプ氏が弾劾裁判で有罪になる可能性は?

アメリカの弾劾裁判では下院で弾劾決議案が可決され、上院で審議されます。このとき上院議員100名中3分の2以上の有罪賛成票が投じられるかどうかでトランプ氏の有罪・無罪は変わります。

現在のアメリカは下院にバイデン氏出身の民主党が多く、上院にトランプ氏出身の共和党が多くいます。そのため前回のウクライナ疑惑の弾劾裁判では下院で弾劾決議案が可決されたものの、上院では無罪票が多かったため無罪となりました。

今回もトランプ氏の仲間が多い上院ではトランプ氏を有罪にしないとみられていますが、断言はできません。下院での弾劾決議案採択のとき、共和党の議員10名が賛成したのです。

本来であれば同じ派閥でありトランプ氏の害をなすことはない共和党議員がトランプ氏を批判。民主党は大歓迎していますが、この流れが上院にも流れてくる可能性があるのです。

アメリカ上院の勢力図は共和党53名、民主党47名と共和党が上回っています。このうち3分の2以上である66名以上が有罪票を投じればトランプ氏の有罪が確定します。

そのためには共和党から20人近い”裏切者り”が必要になるため、トランプ氏が有罪になる可能性は低いでしょう。ただし共和党内でも穏健派の議員たちが今回の襲撃事件に強い怒りを覚えており、有罪票を投じる可能性はゼロではありません

おわりに 今後の予想は

トランプ氏の弾劾裁判は春ごろから始まり、2021年内には終わる見通しです。

トランプ氏有罪のためには上院議員100名中66名以上の有罪票が必要になりますが、対立する民主党は47名しかいません。そのためトランプ氏が有罪となる可能性は低いとみられています。

ただし下院での弾劾決議案採択のとき、共和党から10議員が賛成票を投じるなど、離反の動きも高まっているため、上院の共和党議員53名のうち約20名が有罪票を投じると、トランプ氏の有罪が決まります。

また有罪判決が出た場合、上院議員100名中50名以上の賛成でトランプ氏の選挙への立候補資格をはく奪することが出来ます。共和党内でもトランプ氏を危険視する議員は多く、次の選挙を見据えて邪魔に感じている議員も多いです。

そのため、僅差で有罪がきまった後に大差で立候補資格はく奪という流れになるケースも考えられます。

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