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6月11日、大きな口が名前の由来となったメガマウス。巨大なこのメガマウスが生きたまま定置網にかかったことがわかり、話題になっています。
メガマウスを紹介するうえでよく見る文言が「幻のサメ」「幻の深海魚」といった言葉。
このページではメガマウスの紹介とともに本当に幻の深海ザメなのかもご紹介します。
メガマウスとは
メガマウスは太平洋やインド洋など、熱帯から温帯にかけての温かい海に生息する最大約7メートルにもなる大型のサメです。
大きな口を持つサメ=肉食かと思われがちですが、実は主食はプランクトン。
そのため一般的な肉食のサメと違い歯がとても小さくヤスリ状になっています。
厳密に深海魚とは呼べない?
ちなみにメガマウスを深海魚と分類するかどうかは人によって分かれます。
というのも学術的に深海魚という明確な定義は存在せず、一般的に水深200メートルよりも深いところに住む魚のことを深海魚と呼んでいるにすぎません。
メガマウスの生息域は水深200メートル付近のやや浅い深海。ちょうど分かれ目付近で暮らしているためどちらとも呼べてしまうのです。
明確な基準がなく、一般的な区分であり水深200メートル付近に生息しているため、メガマウスは深海魚と断言できないのです。
実は幻のサメでもなかった?
メガマウスはIUCN(国際自然保護連合)が定める保全状況のうち、LC(低危険種)というカテゴリに該当します。
これは、「絶滅するおそれがなく、近い将来絶滅する危険性も低い」という意味。
つまり、幻というほど数の少ないサメではないのです。
ちなみに絶滅危惧種に該当するサメは次のとおりです。
- 準絶滅危惧種(今はセーフだけど環境が変わったら将来危ないかも)
イタチザメ - 絶滅危惧Ⅱ種(今も将来も絶滅の危険性が高い)
ホホジロザメ - 絶滅危惧種IB類(すでに絶滅の危機、将来もやばい)
アオザメ、オオヒレメジロザメ、ジンベイザメ、トラフザメ、ニシオンデンザメ - 絶滅危惧種IA類(マジで絶滅寸前、将来もやばい)
アカシュモクザメ、インドメジロザメ、ヒラシュモクザメ、ホンカスザメ
メガマウスはなぜ「幻の深海魚」と呼ばれるようになったか
それなのに何故「幻だ!」と言われるのかというと、とにかく捕獲数と目撃数が少ないため。
2011年には世界で50例(うち日本は13例)しか見つかりませんでしたが、2018年には世界で111例(うち日本は22例)まで増えています。
というのも、漁師さんの間ではメガマウスは迷惑な存在。売れるわけでもなし、巨大すぎるため網を破壊する恐れがあり、一緒に網にいる売れる魚を傷つけてしまうからです。
そのため、メガマウスに限らず売れそうにない大きな魚がかかった時は逃がすか処分するかが当たり前になっています。
しかし、テレビなどでメガマウスを「幻の深海魚だ!」と取り上げたことで漁師さんたちの認識も変わり、見つけて水族館などに連絡するケースが増えたことが目撃例増加の一因となっています。
生きているメガマウスの映像は超貴重
メガマウスの発見例は年々増加していますが、生きている姿をはっきりと撮影した記録はとても珍しいです。
主食がプランクトンであるため、メガマウスの歯がヤスリ状になっているのがわかりますね。
すでにこの個体は放流されたようですが、元気に暮らしているといいですね。
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