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2020年6月21日(日)の16時~18時にかけて、日本全国で部分日食がみられます。ます。
「完全な日食じゃないからサングラスでいいかな?」
「ちょっとだけだし薄目で見てみようかな~」
と思った方、その方法は絶対にやめてください!
部分日食でも日食でも、とにかく正しい観察方法をとるよう気を付けましょう。間違った方法で太陽を見ると、最悪の場合失明する可能性もあります。
このページでは、日食を観察するうえで絶対にしてはいけない方法や正しい観察方法をご紹介します。
太陽で失明するメカニズムとは
室内の電気、車やトラックのヘッドランプ、船の光…日常の中で目にしてまぶしい!と思うものは多いですが、何よりもまぶしいのは太陽の光。
実は太陽は、地球上から見える最も明るく光るものなのです。皆既日食や部分日食によってその光がさえぎられたとしても、その明るさは絶大なもの。観察方法を誤ると失明する可能性もあるのです。
車の運転中などに視界に太陽が入っていた後、しばらくするともう太陽を見ていなくても視界がぼやけたり太陽の形に黒味がかったものが瞬きしても見える、なんてことはないでしょうか?
実はそれ、目が軽いヤケドを負った状態になっているのです。
ものを見るうえで最も重要な役割を持つ網膜が太陽光によって傷ついたことが原因です。
ほんの数秒であれば一時的な視力低下だけで終わることもありますが、たとえ数秒でも夏の強い日差しを直視したなど、運が悪ければなく視力が下がったまま治らないことも。当然、長時間見つめるなどした場合は失明まで至ります。
日食が観察できるようになると多くの人が間違った方法で空を見上げ、そして病院に駆け込みます。あまりにも目の異変を訴える人が多すぎたせいで、現在では誤った方法で太陽観察した結果目に起きた障害をひっくるめて日食網膜症と呼ばれるほどになりました。
絶対にしてはいけない! 肉眼で見る
日食は15時30分前後に日本でピークを迎えますが、その始まりは14時すぎのところが多いです。
「ちょっとだけだし」と数秒でも太陽を見ることは危険です。
実際、何の対策もせずに日食を肉眼で見た結果「目がぼやける」「ものが見づらい」「ずっと黒い丸が視界にある」などの理由で眼科を受信する人が多くいます。
それらの症状は全て、日食網膜症と呼ばれています。シチュエーションを限定するような名前がつけられるほど、間違った観察方法で太陽を見て病院行きになる人は多いのです。
そのため、肉眼で見ることはたとえ数秒の間でも危険です。絶対にやめましょう。
絶対にしてはいけない! 望遠鏡や双眼鏡を使う
双眼鏡や望遠鏡はものを大きく見るために使います。太陽の光や熱を1点に集めるため危険度は肉眼で見る以上に高いです。
望遠鏡や双眼鏡を使うのは本当にやめましょう。
日食グラスと呼ばれる日食を観察するために作られたサングラスのようなものがありますが、これは肉眼で見ることを想定して作られています。
そのため、日食グラスを通して望遠鏡や双眼鏡を使うこともやめましょう。
ただ、日食の形を大きく見たい!という要望や研究のために専門家が適切な減光を行った望遠鏡や双眼鏡があります。こちらを使うことは大丈夫ですが、必ず専門家が関与しているものを使用するようにしましょう。
絶対にしてはいけない! 黒色透明のもので見る
じゃあ黒いクリアファイルや下敷きを間に挟んだら肉眼で見ないし大丈夫だよね?と考えるのも危険です。
通常に市販されている下敷きやクリアファイルには減光処理がされていません。
そのため、まぶしくない!と思っても防げているのは太陽光線のうち可視光線(人の目に見える光の線)だけ。赤外線や紫外線、ブルーライトといった人の目には見えない光はしっかり網膜に届いています。
むしろまぶしくないからと長時間見続けられてしまうので、より視力低下や失明の危険性は高まります。絶対にやめましょう。
ただ、こちらも望遠鏡や双眼鏡と同じように減光処理がされている下敷きなどが販売されていることもあります。
使用するさいには必ず減光処理がされているか確認してから使いましょう。
絶対にしてはいけない! 黒いサングラスを使う
ただのサングラスは黒い下敷きなどと同様に、太陽の可視光線をさえぎって視界の明るさを制限するだけです。そのため、太陽光線のうち人体に有害な光線を防ぐことはできません。
では、最近釣りやアウトドア、ドライブなどで使用されている「偏光サングラス」や「調光サングラス」というものがあります。こちらは使用しても大丈夫かというと、やはり危険です。やめましょう。
偏光レンズとは、紫外線や反射する光を防ぐものです。
ドライブでは路面やフロントガラスの反射が消えて視界が良好になる、釣りで使用すれば水面の反射がなくなって水中が見やすいため重宝されていますね。
調光レンズとは、紫外線の量によってレンズの色が変わるものです。
室内では透明だったレンズが屋外に出ると濃い色に変わるなど、1つでメガネとサングラスを兼ねることから人気が出ています。
偏光レンズと調光レンズは紫外線をカットするため日食観察に向いているように思えますが、実は違います。
これらのレンズでは可視光線、紫外線は防げてもブルーライトや赤外線を防げません。
そのため確実に目にダメージが入りますので、これらを用いる観察は絶対にやめましょう!
安全な観察方法 日食専用のアイテムを使う
日食が広く観察されるようになってからは、日食を正しく観察するためのグラスや遮光板が販売されるようになりました。
他にも日食専用のアイテムは多くあります。必ず商品の説明書を読んで日食観察に適しているか確認してから使うようにしてください。
また、日食グラスを顔の上にかざす・途中でどけるようなことはやめましょう。日食グラスのまわりから太陽光が目に入ってしまうので効果がなくなってしまいます。
正しく日食グラスを使ったとしても、長時間見続けることはやめましょう。
日食の始まりから終わりまで約1時間ほどあります。そのすべてを見通すことは危険ですし、長くとも30秒ほどで一度観察をやめて目を休めるようにしてください。
安全な観察方法 ピンホールを利用する
何よりも安全なのは影を使う方法です。直接太陽を視界に入れないので、絶対に失明の危険性がないオススメの方法ですね。
段ボールや厚紙に穴をあけて太陽をうつすと、その穴の形にそって影がうつります。この時、影の形は欠けた太陽の形そのもの。影を写真に撮ることもできますし、オススメの方法です。
なんといってもこの方法がオススメな理由はお金がかからないことです。日食グラスも単品であれば500円前後と高いものではありませんが、ピンホール方式を利用すれば家にある紙に鉛筆で穴をあけるだけで済みます。
特に日食グラスはそれ以外に活用法が思いつかず、押し入れにしまい込んだまま次の日食観察の時には忘れてしまい、同じものが増えていく…なんてことがあります。
そのため、ピンホール効果を利用する方法は特にオススメですね。
おわりに
クリスマスから一夜明けた12月26日は木曜日です。平日かつ見ごろも15時30分前後ということで、勤務中の人も多いのではないでしょうか。
年末に向けて忙しい中、雄大な自然現象を実際に見て癒されるのもオススメですね。
観察する際には必ず日食専用のアイテム(日食グラス・遮光板)を用意するか、ピンホール効果を利用するなどしてください。
特に、日食グラスなどで空を見上げる場合はくもり空でも必ずグラスを使用するよう気を付けてくださいね。
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