兵庫県加西市が職員の10万円カツアゲ法案を可決!強制寄付の流れが民間にも広がる?

コロナ・マスク
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新型コロナウイルス対策の特別定額給付金10万円の使い道について、世間ではさまざまな声があります。そんな中でちらほら聞こえるのが「公務員に給付された10万円を所属自治体に寄付する」こと。町職員は町役場に、市職員は市役所に、県職員は県庁にその10万円を渡してくださいねというものです。

こうした提案に「公務員なんだからそれくらいしろ」「倒産の危険はないんだから身を削れ」といった賛成的な意見から、「公務員も一人の人間なんだから権利は守られるべき」「流石に人権侵害がすぎるんじゃないか」と否定的な声など様々な反応があります。

そんな中、兵庫県加西市では「職員の10万円を寄付を前提とした予算」が組まれ、話題になっています。

兵庫県加西市のコロナ予算とは

加西市は兵庫県の南部に位置する人口約4500万人の市です。そんな加西市の市議会で提出され可決された議案がこちら。

令和1年度加西市一般会計補正予算(第2号)について(議案第43号)

この議案では次のことが決まりました。

兵庫県加西市議会 第282回加西市議会臨時会 議案・議決結果等一覧から「令和1年度加西市一般会計補正予算(第2号)について」より一部加工

・新型コロナウイルス感染症対策基金費として7,750万円を計上する
・特定財源から6,050万円を計上する
・一般財源から1,700万円を計上する

それぞれ詳しく見ていきましょう!

7,750万円中の1,750万円は議員などの報酬カット

一般財源として計上された1,700万円は議会費のカット、つまり議員さんたちのお給料を減らしてコロナ対策に使いましょうということです。

・議員の月額報酬350,000円を100分の20に減らす=280,000円
・減額中の給料は5回=1,400,000円
・1,400,000円×議員数12人=16,800,000円

ざっくり計算すると1680万円が議員報酬の合計カット額だと計算されますね。残りの70万円は市の幹部職員らの給与カットだという説明があります。

6,000万円は職員らの寄付が前提

コロナ対策として計上された7,750万円のうち、1,750万円は議員報酬のカットなどが見込まれています。

問題となるのは残りの6,000万円。実は、この金額は市職員らの10万円寄付を前提にしているものでした。

加西市の西村和平(にしむら かずひら)市長は全職員に基金への寄付を呼びかけています。同時に、寄付は強制ではないともメディア取材にて公表しました。

ただ、加西市の市職員の数は約600人。全員が10万円を寄付するとその合計は6,000万円となります。寄付はされるものとして予算を組んでいることは間違いありません。

さらに加西市は6月の期末手当から10万円を天引きできる方法を職員に知らせています。既に職員らからの反発も強く「半強制的な寄付だ」と怒りの声も出ています。

職員の10万円寄付は何が問題なのか

新型コロナウイルス対策の特別定額給付金10万円は、政府から全国民へ給付されるものです。公務員であろうと一人の国民ですので、市職員の人々ももらう権利があるのは当然。しかし、それを所属する自治体が回収することは許されません。

そのため今回の加西市のように職員の10万円を予算に組み込んでしまう、命令ではなく任意とするなど、あくまで職員が自主的に寄付したという形にこだわります。

しかしこれではパワハラ、カツアゲと判断されても仕方ありません。

加西市だけでなく、小さな自治体はコロナ対策の財源確保が難しいことは事実です。経済力の強い都会の自治体はともかく、小さな自治体では市民や町民を救うためには職員からの寄付を求めるのも仕方がないのかもしれませんが、やはり認められるものではありません。

何より、自治体による職員の寄付を認めてしまうと全国規模の大問題に発展しかねないのです。

「自力ではもうどうしようもないから」と自治体が職員の給付金10万円を半強制的に取り上げる。

それを見た別の自治体が「他の自治体でもやっていることだから」と自分のところの職員から10万円を取り上げる。

その連鎖が続いた先に現れるのは、「役場がやっているんだからうちもやるぞ」と民間の会社が社員から10万円の寄付を求める事態です。

自分の生活がかかっている以上、はっきりきっぱりとノーを突き付けられる人がどれほどいるでしょうか。ただでさえ自動車税などの税金で持っていかれるのに、会社にまで取られたらどうしようもありません。

おわりに

自治体の経済格差が響く中、職員の10万円というものは魅力的に思えるかもしれません。しかし、公務員が寄付するならという建前を民間の会社が得てしまうと、そこから始まるのは寄付やお願いといった言葉でのカツアゲです。

新型コロナウイルスの影響はまだまだ続きますが、どうにか個人の暮らしも会社などの組織の安定も図りたいものです。

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