首里城再建は国が責任をもつ…じゃあ火災の責任は誰にあるの?管理していたのは誰?

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世界遺産にも登録されていた首里城が大火事となり、数多くの敷地が燃え落ちました。政府が「首里城は国が責任をもって再建する」と声明を出したこともあり、首里城再建のために日本国内外を問わず多額の寄付と応援の声が寄せられています。

前を向いて再建に向かっているとはいえ、気になるのは火災の原因。このページでは首里城の管理団体に責任はないのか調べてみました。

首里城の管理団体 沖縄美ら島財団

首里城は国の所有物であり管理も国によって行われてきました。2019年2月1日~2023年1月31日以降、管理や運営が沖縄県に移管されました。

国から県へと移管したものの、管理は一般財団法人 沖縄美ら島財団が行っています。

創立は1976年7月16日と古く、首里城だけでなく沖縄美ら海水族館なごアグリパーク美ら島自然学校など多くの施設を管理する団体です。

このうち首里城に関する事業を取り扱っていたのは那覇事務所(沖縄県那覇市首里桃原町1丁目13番地)となります。

電気工事士(2級)や建築士、消防設備士など多くの資格保有者とともに施設管理を行う実績ある団体ですが、今回の火災が起きてしまいました。

首里城の火災原因は分電盤?

火災発生から数日が経過し、警察や消防の調査が進んでいます。11月5日現在判明しているのは次の通りです。

  • 火元は正殿1階
  • 正殿内に外部から侵入した形跡はなく、放火の可能性は低い
  • 正殿1階北側付近には配電設備が設置されていた
  • 正殿から北側を中心にして炎があがっていた
  • 正殿1階北側の焼け跡から焦げた分電盤が見付かった

防犯カメラは正殿内だけでも8つあり、そのうちの1つから炎が噴き上がった映像が記録されていたこと、外部から侵入した人の様子がなかったことから警察は放火の可能性は低いと話しています。

また、特に炎のあがっていた正殿1階北側の焼け跡から焦げた分電盤が見付かったことにより、配電設備内の分電盤が何らかの理由でショート、出火原因となったのではないかという見方が強くなりました。

国が防火設備を撤去した!?

11月2日朝、琉球新報は次のような記事を掲載しました。

首里城焼失 国が防火設備撤去 安全管理の見通しの甘さ浮き彫り

 那覇市首里当蔵町の首里城の正殿や北殿、南殿など計7棟が焼失した火災で、正殿の外に設置されていた「放水銃」と呼ばれる消火設備5基のうち1基を、2013年12月までに国が撤去していたことが1日、分かった。

沖縄総合事務局の担当者は本紙の取材に「火災発生時にも放水銃4基で対応できると判断し、代わりの防水設備を設置しなかった」と回答した。

今回の火災は、スプリンクラーなどの消火設備の不足が大規模な延焼につながったと専門家らは指摘しており、安全管理の見通しの甘さが改めて浮き彫りになった。

琉球新報 より

首里城の管理が国から沖縄県へと移管したのは2019年2月1日以降のことです。この記事によると、移管よりも6年前の2013年12月に放水銃という消火設備の1つを国が撤去していたことが判明したとのこと。

これを読んだ人はどう思うでしょうか?

「国が撤去したんだから国のせいだ!」と思うかもしれません。まるで国が悪いと言わんばかりの見出しですし、そう思うのも当然でしょう。

しかし、これは国の問題というよりも沖縄県の問題です。

スプリンクラーを設置しなかったのは沖縄美ら島財団

琉球新報は11月2日朝に次のような記事を掲載しました。

首里城焼失 国が防火設備撤去 安全管理の見通しの甘さ浮き彫り

那覇市首里当蔵町の首里城の正殿や北殿、南殿など計7棟が焼失した火災で、正殿の外に設置されていた「放水銃」と呼ばれる消火設備5基のうち1基を、2013年12月までに国が撤去していたことが1日、分かった。

沖縄総合事務局の担当者は本紙の取材に「火災発生時にも放水銃4基で対応できると判断し、代わりの防水設備を設置しなかった」と回答した。

今回の火災は、スプリンクラーなどの消火設備の不足が大規模な延焼につながったと専門家らは指摘しており、安全管理の見通しの甘さが改めて浮き彫りになった。

琉球新報より

国から県へ移管する時、当然沖縄県は首里城の現状を把握していました。そのため、火災発生時には他の放水銃4基で対応できると判断したのです。代わりの防水設備を設置しなかったという選択肢を取って8か月、首里城は大火災という結末を迎えました。

さらに移管から8か月、沖縄美ら島財団はスプリンクラーなどの消火設備を設置しなかったことも本文で指摘されています。

首里城は木造建築なため、スプリンクラーの設置が難しかったという意見もあります。しかし同じ木造建築かつ世界遺産にも登録されている姫路城は、スプリンクラーを潤沢に設置しています。

姫路城は屋内外の消火栓、消火器、火災報知器が大量にあります。スプリンクラーにいたっては天守群だけで1000か所以上も設置するという徹底ぶりでした。

ちなみに、姫路城の方が年間入場者数が首里城よりも少ないです。姫路城は大人1000円、首里城は大人890円の入場料であり、姫路城の方が収入は多い状況ですね。

首里城が2019年2月1日に管理が沖縄県へ移管した後、県から沖縄美ら島財団への支出はありませんでした。首里城は入場料と売店収入でその使用料財源を確保している状態でした。

そのため、とにかくお金がありません。スプリンクラーの設置や、国が撤去した放水銃を買いなおすだけの資金がなかったのです。

まとめ

国が首里城の防水設備を撤去したから首里城は燃え落ちたという論調が強い現在ですが、問題は国から移管されて8か月経った今まで防水設備を一切追加してこなかった沖縄県、ひいてはその管理団体である沖縄美ら島財団の責任は大きいです。

しかし沖縄美ら島財団は首里城の管理を入場料と売店収入だけでまかなっている面が強く、単純に責任を追及するだけでは今後の火災を防ぐ意味では効果が薄そうです。

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