【目黒女児虐待死】父親は保護者責任遺棄致死罪…何で殺人罪じゃないの?その理由を調査

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2018年3月、東京都目黒区に住む船戸結愛(ゆあ)ちゃん(当時5歳)が死亡した事件で、父親の雄大被告(34歳)は保護者責任遺棄致死罪などに問われました。東京地裁の裁判員裁判は10月15日、懲役13年の判決を言い渡しました。

これをめぐって「短すぎる」「死刑でいい」「何で殺人罪じゃないの?」など、ネットでは否定的な意見が多いです。このページでは何故子どもを虐待して死なせてしまって殺人罪とはならなかったのか調べてみました。

事件概要 あまりにも惨い拷問

雄大被告と結愛ちゃんは血のつながらない親子です。結愛ちゃんは母親の優里被告(27歳)が雄大被告と結婚する前に婚姻関係を結んでいた元夫との間に生まれた子。雄大被告は優里被告と結婚するにあたって結愛ちゃんと養子縁組を行って親子となりました。

しかし2016年11月頃からしつけの域を超えた暴力を加えるようになり、18年1月に目黒区へ転居すると、食事や外出を厳しく制限し、真冬なのに冷水を浴びせる、ベランダに立たせるなどの仕打ちを行いました。

18年2月下旬、結愛ちゃんは顔が腫れあがるほどの暴行を受けておう吐を繰り返すほど衰弱し、3月2日に肺炎による敗血症で死亡。その間両親は虐待の発覚を恐れて病院に連れて行きませんでした。

まだ5歳の子どもに対して実の母、義理の父という大人2人がかりで虐待を繰り返し、ついには死亡させてしまったというのが今回の事件の概要です。

暴行して殺してしまったのだから殺人罪じゃないのか?

虐待をして死なせてしまったというのは、親が子どもを殺したんだから殺人罪だ、と思うかもしれません。しかし、雄大被告も優里被告も殺人罪には当てはまりません。

刑法第199条 殺人罪
・人を殺した者は、死刑又は無期若しくは5年以上の懲役に処する。

結愛ちゃんが死亡した理由は肺炎による敗血症です。
敗血症とは、細菌などの病原体に感染した時、体がその病原体に対抗する為に起きる様々な状態のことをいいます。
・38度以上の高熱や36度以下の低体温
・心拍数が1分間に90回以上
・呼吸数が1分間に20回以上
など、様々な指標がありますが、敗血症だと診断できるのはお医者さんだけです。

この敗血症になると、低血圧による意識障害などを引き起こした結果ショック状態になり、多くの臓器に障害が及ぶ多臓器不全となってしまいます。この多臓器不全になると数時間で死亡してしまう可能性が高くなるため、敗血症と診断されたらそのまま治療に移ることがほとんどです。

しかし結愛ちゃんは肺炎にかかった時も、体がその細菌に対抗して戦っている時も、多臓器不全となった時も、ずっと自宅に監禁されていました。3月1日にはいよいよ様子がおかしいと結愛ちゃんの命に危機が迫っていることに気付いた雄大被告らは119番通報を行いましたが、間に合わずに死亡してしまいました。

あまりにも惨い仕打ちに怒りを覚えますが、重要なのは結愛ちゃんは病死した、ということです。殺人罪の定義は書いて字のごとく「人を殺すこと」ですので、病死はあてはまりません。

そのため、雄大被告が殺人罪に問われなかったことは妥当です。

まとめ

・雄大被告は顔が腫れあがるほど強い力で殴った、結愛ちゃんの体には170以上の様々な傷があった→死亡していない(傷害罪が限界)
・結愛ちゃんの死因は肺炎による敗血症=病死である

以上のことから、雄大被告が殺人罪ではなく保護者責任遺棄致死罪で起訴されたのは妥当です。

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