【台風19号】まだ完成してないのに超頑張った!利根川水系の氾濫を食い止めた八ッ場ダム!

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10月12日、直撃した台風19号によって関東地方は壊滅的なダメージを受けました。いくつもの河川が氾濫し、あの利根川ですら氾濫するかもしれない、と国土交通省は周辺住民に避難を呼びかけるほど。

そんな利根川氾濫の危険性を、まだ完成もしていなかったとあるダムが食い止めたのです。それが八ッ場ダム。民主党時代の事業仕分けなどで名前を聞いたことがある人も多いのではないでしょうか?

このページでは八ッ場ダムがいかにして利根川氾濫を食い止めたのか調べてみました。

八ッ場ダムとは

八ッ場ダムとは、群馬県吾妻郡長野原町川原湯地先に建設されている多目的ダムです。洪水時の周辺河川の水位調節のため、上下水道や工業用水としても利用されるほか、水力発電も行われる予定でした。

国土交通省関東地方整備局が主導する八ッ場ダムは歴史が古く着工されたのは1967年のこと。しかし周辺住民の猛烈な反対運動を受け、妥協点を探り合いながらダム建設に方針が決まったのは1986年のことでした。さらに2000年、建設に関する基本計画が事業工期として策定されるも、新たな機能をつける計画が追加されるなど完成予定はどんどん先延ばしに。結局、完成予定は伸びに伸びた結果2015年予定となりました。

しかし2009年、民主党政権になると事態は一変。当時国土交通大臣だった前原誠司と内閣総理大臣だった鳩山由紀夫が「八ッ場ダム事業は中止とする」と明言したからです。
当然、2000年に始まった工事は計画通りに進められていました。それが急に中止になり、工事関係者が怒り狂い、群馬県周辺地域の人々が困惑し、さらには建設中止を喜ぶ住民まで出て来て大混乱となりました。

政権が民主党から自民党へと移り、2011年に「八ッ場ダム建設事業を再開する」と決定しました。これにより混乱を招きつつも建設が再開され、完成予定が2020年を目標と定められました。

2019年~現在の八ッ場ダムの状態

その後観光スポットとしても注目を集めていた八ッ場ダムは、2019年6月12日にほぼ完成したことを記念して記念式典を行いました。と言ってもまだ完全に工事が完了したわけではなく、少しずつダムに水をためて安全性や健全性を確認する予定で、工事完了予定は当初の計画通り2020年3月でした。

八ッ場ダムは10月1日に試験湛水(たんすい)を始めたばかりでした。ダムが満水になるまで貯水した後、放水を行って漏水量やダムそのものの強度、周辺の地域への安全性を確認しているところでした。通常1年ほどかかるこの試験湛水を始めたばかりだったので、八ッ場ダムには余裕があったのです。

そして台風19号が襲来。未曾有の大水害に混乱する中、雨は容赦なくまだ完成もしていなかった建設中の八ッ場ダムに降り注ぎました。そして、国は放水せずに貯水することを決定しました。

八ッ場ダムの有効貯水容量(土砂を除いた純粋に溜められる水の量)は90,000,000㎥です。
学校で見られる25メートルプールの水量は約540㎥、おおよそ167,000杯分ですね。

この90,000,000㎥もの八ッ場ダムがほぼ2日で満水になったというのですから、台風19号がどれだけの猛威を振るったかが分かります。

もしも八ッ場ダムがなかったら

利根川と言えば千葉や埼玉を流れる日本最大の流域面積を誇る巨大な河川です。対して八ッ場ダムは群馬県にあるダム。何故八ッ場ダムが機能していなかったら利根川が氾濫することになっていたのでしょうか?

国土地理院より

上の画像は利根川の部分を青く塗った地図です。赤い星マークが八ッ場ダムのあるおおよその位置。

実はめちゃくちゃ近くにあるんですよね。いかに利根川が巨大な川なのか分かる画像です。

もしも八ッ場ダムが機能していなかったら、ダムに溜まっている90,000,000㎥もの水が全て利根川水系に流れ込んでいたことになります。関東地方よりも長野県付近の方が標高が高いので、全部流れてきたでしょうね。

Wikipedia「八ッ場ダム」より 2019年8月の写真

こちらの画像は2019年8月に撮影されたものです。まだクレーン車があり、工事が進んでいる状況が分かります。

八ッ場ダム工事事務所 定点観測カメラ より

それがたったの2日でこうなったんです。

既に関東地方の河川は決壊、氾濫と大規模な被害を受けている状態です。ここにそれだけの量の水が降り注いだら、既にぎりぎり氾濫を堪えていた利根川や周辺の河川とて耐えきれなかったでしょう。

おわりに

今回、甚大な被害がもたらされた中で八ッ場ダムがきちんと機能したことは不幸中の幸いでした。しかし通常1年かけて行う試験湛水を始めたばかりだったのに、想像以上の台風豪雨に実稼働を余儀なくされ、八ッ場ダム関係者は眠れぬ夜を過ごしたことでしょう。

一夜明け、さらに時間が経つごとに台風19号の被害状況、その深刻さが明るみに出ています。もし八ッ場ダムがなければ、と思うとゾッとしますね。今回の台風被害の中で、一番頑張ったのは八ッ場ダムと言っても過言ではないでしょう。

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